家庭ごみはちゃんと『再利用』されている
ゴミ袋増税(有料化)に使えるスローガンとしては、「環境を守るためにゴミを減らそう」というのが一番聞こえが良さそうですね。
でもね、
何もゴミをそのへんにポイ捨てしてるわけじゃないんです。
山に埋めてるわけでもありませんし、そのまま海で埋め立てているわけでもありません。
みなさんイメージしてみてください。
ゴミ回収車が家庭ごみを回収した後どこへ行ってるか。
猪名川の河川敷とか、一庫ダムとか、その辺の山に穴を掘ってゴミを捨ててるわけじゃないんですよ~?
私たち川西市民が出した一般家庭のゴミはですね、
ちゃんとした、先進的なごみ処理施設(国崎クリーンセンター)に運ばれて、
焼却熱で発電をして売電し
熱処理でリサイクル可能な素材(金属など)を徹底的に分離して「再生可能資源」を取り出し、
残りの焼却灰は、埋め立て資材として活用されていまーす!
つまり、
一般家庭ごみは、
環境に悪影響どころか、
ちゃんと資源化したりして、
有効活用できているんです。
この焼却灰を埋め立て資材として再利用する取り組みは、「大阪湾フェニックス計画」といわれるものです。処分費用は掛かりますが、大阪湾周辺の港湾整備に役立てられています。
この港湾埋立地は、災害時の避難所や仮設住宅、企業などの事業用地、スポーツ施設、港湾施設などに使うことができます。
用地確保のために、山や森林を伐採・造成する必要性が減りますから、環境保全にも役立っているんです😀
リサイクルは市民を貧しくする
プラやPET(ペットボトル)もリサイクルしていますが、これにも処分費用がかかっています。
「プラやPETはリサイクルするよりも、普通ゴミとして焼却したほうが焼却時の燃料も、リサイクル時に排出される燃料も節約できますよ?」という学者さんの意見もあります。
あまりにもテレビで言ってることとのギャップがあるので、びっくりしちゃいますよね。
でも、自分で調べてみると、「テレビのほうが間違ってる?」と思うようになりました。
そらそっか、テレビは神様じゃないからね。間違いもするし、ウソもつくよね。
ちなみに、プラリサイクル費用は税金で賄っていますが、PETのリサイクル費用は、商品代に上乗せされて購入時に消費者が負担しています。
<参考:プラジャーナルさんの記事>
プラの分別は環境を破壊している
私たちは「プラごみリサイクル」という自己満足のために、
CO2を余計に排出し、
燃料(資源)を余計に使い、
税金を際限なく投入し、
増税されて「文句」を言う。
という無意味なスパイラルに陥っています。
さて、プラ分別しなかった場合の「メリット」ですが、
①焼却燃料費が減るというメリット
⇒プラは石油からできているので、焼却炉の中で良く燃えます。ですから、普通ゴミ焼却用で投入している燃料(資源)を節約することができます。そして、焼却熱で発電し売電されます。これをサーマルリサイクル(ゴミ⇒電気)と言います。
②自治体の負担が減るというメリット
⇒数億~数十億円(自治体規模による)の経費が浮きます。
プラ・PETの回収費用は、自治体回収なら自治体負担となっていますので、普通ゴミで出してしまえば、その分の費用は全額浮きます。
分別しない分、普通ゴミが増えますが、プラとPETごみを合わせても普通ゴミの6%程度の量しかありません。むしろ収集時の空き容量を減らせるので回収効率は向上します。
回収費以外にも、自治体はプラのリサイクル工場と入札契約していて、処理請負費用を自治体側が負担しています。また、それとは別でプラごみ1トン当たりの受け入れ費用も支払っています。
③リサイクルのためのエネルギーも節約できるというメリット
⇒結局、再生処理コストがかかるということは、そのための燃料資源と人件費がかかっているということになります。運送やサーマルリサイクルに必要な燃料(資源)費、加工の際にも電気を使います。リサイクルすることで、逆に余分なエネルギーを消費していることになります。
④プラごみのうち62%が、焼却(サーマルリサイクル)されている。
⇒そもそもプラはリサイクルに適さない物質です。
お家でどれだけキレイに分別しても、そのうちの62%は再生不可能なプラスチックとして選別され最終的に燃やされます。再生できないプラはサーマルリサイクルと言って、燃やして電気に変えるという形で再生されます。その際に灯油などの燃料を入れて高温焼却するので資源(灯油など)が必要となりますし、もちろんCO2も出しています。
また、そもそも①にあった通り普通ゴミと混ぜて出せば、ゴミ処理センターで燃やしますので、ゴミ処理場の燃料だけでなく、リサイクル工場などでサーマルリサイクルに使う燃料も節約できるうえ、発電した電気は売電して焼却費用に補填されます。
リサイクルできるプラは全体の約38%程度しかありません。しかも再生プラ原料は粗悪ですから、その用途は限られています。それらは倉庫などで使う樹脂パレットなどに再生されています。
ちなみに、名古屋市のデータでは、プラごみ1tのリサイクルにかかる費用が、約2万円(税金)だそうです。そしてプラごみから再生された再生樹脂パレット1トン当たり3.5万円の赤字が出ています。(赤字は税金で補填)。
⑤再プラ・リサイクルで石油資源は削減できない。
プラごみの約38%が再プラとして再生されるのですが、この38%の再プラが石油資源の削減効果につながっているわけではありません。
LCA(ライフサイクルアセスメント)という評価方法をベースに「プラごみを普通ごみに混ぜて焼却した場合」と「プラごみリサイクル処理をした場合」を比較評価すると、この38%の再プラ製品の製造をすることで、より多くの資源を消費し、より多くのCO2を出していることがわかります。
「プラ分別は環境に『悪い』という常識(Link)」でも詳しく説明しています。
そして、この矛盾を穴埋めするためにたくさんの税金が使われています。
プラごみリサイクルをやめれば「足りない」と言われている財源を確保することができます。
簡単なことなんです。
・・・ですが、一旦刷り込まれたカン違いを正すことができる人は、そんなに多くはいないのかもしれません。
再プラ利権 カモは誰?
ワイドショーやNHKで専門家が言っていること、、
自分のアタマでちゃんと検証もせずに、彼らの言うことを鵜呑みにしてはいませんか?
私はほんの最近まで、鵜呑みにしていました💦
少しは疑心暗鬼になってみても誰も損をすることはありません。オレオレ詐欺みたいに、誰かの言うことを鵜呑みにする方が損をします。
彼らはみんな脱炭素を生業にしている人たちです。
ある環境研究者(御用学者ではない方)の言葉です。
「もし本気でCO2を減らしたいならば、自由な経済活動によって科学技術全般のイノベーションを促すことが絶対不可欠だ。しかし彼ら(環境問題を仕事にしている学者や活動家たち)は、それを否定し、一般人の生活を統制し耐乏生活を強いることを望んでいる。」
私もそう思います。
「ゴミ袋有料化(増税)」というのが、まさにそれそのものです。
そもそも川西市ではゴミ袋を有料化(増税)」してもゴミは減りません(Link)し、プラごみ分別の促進で環境負荷は今以上に高まります。
CO2排出削減に関しては技術革新と経済合理性によって持続可能な形で進化させるものであって、一般庶民に貧相な生活を強要したり、あるいは普通の健康的な生活の営みに対して税(ペナルティ)をかけて実現するべきものではありません。
そしてまた、税金を使ってプラごみリサイクルを促進させようとする政策は、経済合理性を歪め、さらなる税金を食いつぶし、環境対策への持続可能性を大いに損なわせる施策だといえます。
『ダメなCO2』と『OK なCO2』
大切なことを言います。
温室効果ガスとして問題視されているのは『化石燃料を燃やした時に出るCO2』です。
生ごみや紙くずなどの一般家庭ごみから出るCO2ではありません。
これはカーボンニュートラルと言って、通常のCO2循環によるもので温暖化の影響のないCO2は、CO2の排出量には含まれません。
では、なぜ「家庭ごみを減らそう」と言っているのかというと、
一般家庭ごみを焼くために使った『化石燃料が出すCO2』が問題だからなんです。
そこで、他の記事とも重複しますが、ごみ袋有料化の理由「環境(資源の節約・CO2排出削減)のため」というのは正しいのか?
どういったゴミ処理方法ならそれが実現できるのか考えてみます。
ゴミの減量がこれ以上可能なのかという点については、別コラムで解説しています ⇓
有料化(増税)ではプラ分別は進みますから、「プラ分別をする場合」と、「プラ分別をせず、普通ゴミに混ぜて出す場合」とで、環境に対する負荷がどう変化するのかを考えてみます。
こういった評価比較の方法をライフサイクルアセスメント(LCA)と言います。
ここではイメージしやすいように、簡単に解説します。専門的な話は「プラ分別は環境に『悪い』という常識(Link)」でご覧ください。
※プラ分別のライフサイクル
①一般ごみの焼却で出るCO2はOK
⇑ カーボンニュートラルの観点から見ても、燃えるごみは普通に出して良いんですよ? 焼却灰も再利用されていますし。
②一般ごみ焼却に使用する燃料で出るCO2はダメ
③プラごみのうちサーマルリサイクルされている約62%から出るCO2はダメ
④プラごみのサーマルリサイクルに使われている燃料で出るCO2はダメ
⑤再プラ(MR:マテリアルリサイクル)はサーマルリサイクルに比べてCO2をより多く出すので余計ダメ
プラ分別リサイクルは、
『OK』が1つ
『ダメ』が4つです。
では、次に、プラごみを分別せずに普通ゴミと燃やすとどうなるでしょうか?
※プラごみ混合焼却時のライフサイクル
①は変化なし。これはもちろんCO2排出OKな分です。
②については、プラごみが一般ごみの燃焼を促進するので、その分、投入する燃料が削減できます。また、計算上は燃料を投入するより、再プラを燃やしたほうがほんの少しだけCO2排出量は減る場合もあるそうです。(ただこれは燃焼時の環境条件次第)
つまり、CO2排出量はほぼ変わらず、化石燃料が節約できます。
③プラごみリサイクルをしませんので、ここでのサーマルリサイクルによるCO2排出はゼロになります。
④これも③同様にCO2排出はゼロで、化石燃料も節約できます。
⑤再プラせずサーマルリサイクルするか、バージン・プラを利用(※)したほうが、化石燃料を節約できる。CO2も削減できる。そして税負担もゼロになる。
(※)新規パレット製造のプロセスでは、新規パレットは再生パレットの30%の重さ(新規樹脂代替率30%)で同等のものを作ることができます。LCAによる評価比較についても別コラム(Link)にありますので参考にしてください。
『OK』は1つ
『ダメ』はゼロになりました。
『資源の節約』も3つです。
環境負荷に対しての利点だけでも、プラごみ分別はやめたほうが良いことがわかります。
シンプル工程で燃料もCO2も税金も削減
どうでしょうか?
プラごみと普通ゴミを混合焼却すれば、もっと化石燃料の使用を減らすことができ、排出CO2も減量できます。
でも、ぜったいにこれはやりません。
むしろゴミ袋を有料化してプラごみ分別を進めようとしています。
矛盾していませんか?
環境保全・資源削減の観点からも、財源確保のために『プラ分別の廃止』を実施している自治体は増えています。
この期に及んで時代遅れの政策に取り組む理由はありません。
ゴミ袋有料化だなんて、ホントのことを知らない人たちがやっているお門違いな政策です。偽善のために他の自治体に追従したところで未来への負担が増えるだけで何のメリットもありゃしません。
一般ごみに課税して、環境への負荷を高めた上に、わたしたち一般庶民が窮屈な思いをしてまでゴミを減らす意味はいったいなんなのでしょう?
やはり、
単に新たな『お小遣い(財源)』が欲しいだけ
だとしか思えません。
子供たちの首を絞める『制度化』
ゴミ袋有料化(税制)というのは、たとえどんな優遇処置(ゴミ袋支給など)があったとしても、生活者に対するペナルティであることに変わりはありません。
自分だけが得をするからと言って、周囲の市民に負担を強いたり、間違った制度を子供たちに残すのは良くないと思います。
そして、静岡県浜松市のように、一度制度化されてしまえば、数年に一度のペースで増税されていきます。
浜松では実施時期が先延ばしされていますが、次の選挙が終わったらすぐに実施が決まるでしょう。
数年先延ばしされたからと言って、一度制度ができてしまえば、子供たちは将来、税負担を逃れることはできません。
負担額の多寡の問題ではありません。制度化するかしないかの話です。
自分たちの首に、ロープを「ユルく巻く」か「キツく巻く」かの問題ではなく
自分や子供たちの首に、ロープを「巻く」のか「巻かない」のかの問題です。
締められるのが自分達の世代でなくても、制度化を認めてしまえば、「子供たちの首にロープを巻く」ことになります。
行政が市民の首にロープを巻く理由は、いずれその首を締める(増税)ためにかけるのです。
締めないのなら、そもそもロープを巻く必要などありませんから。
どうして私たちや、私たちの子や孫が、普通の生活をすることに『ペナルティ』を支払わなければいけないのでしょうか?