『ゴミ増税をしたい理由』
『ゴミが増えると環境に悪いんです。だから「増税」も仕方がないんですわ』
って、そういわれると、なかなか反対しにくい雰囲気になります。
そうなんです。
行政や政治家の方々は、善良で柔和な市民の思考パターンを逆手にとって、
『うまいこと増税する方法』を知っているんです。
バカだと思われているのかもしれません・・
「環境のために有料化を」というのは、
「増税を納得させるための構文」です。
ゴミ袋増税の場合はこうです。
『家庭から排出されるごみの減量化を目指しています。その一環として、手数料を付加したごみ袋を指定する制度の導入に向け取り組んでいます。』
「ゴミの減量化」というと、なんだか良い感じのような気がしますが、実はなかなかの無理難題です。
⇑ 『環境のため』というのが『御為ごかしなセリフ』なんだということが、なんとなくにでも理解していただけると思います。
『増税構文』とは
理不尽な制度や税制が、どうしてこうも簡単に次々に成立していって、それをまるで良いことかのように勘違いしてしまっているのはなぜなんでしょう。
それはおそらく、この増税構文のようなものによって、すっかり間違ったイメージが刷り込まれてしまっているからかもしれません。
まず、「きれいごと」を掲げて、つぎに「そのためには○○しないといけない」ときます。
そして、肝心なのは、必ず税負担を市民(国民)に強いるという最終目的が盛り込まれています。
【きれいごと】
「未来の子供たちのためにゴミを減らして、地球環境を守りましょう⤴」
【そのためには】
「ゴミ袋を有料化(増税・間接税)してゴミ排出を抑制しましょう⤴」
あるいは
「適正なゴミ処理運営のために、財源が必要なんですよね⤴」
という具合です。
これが、
『増税構文』
です。
再エネ賦課金(⇐電気代に上乗せて徴収されているので電気料金の明細を見てみてください)だって、このスキームです。
何でもかんでも「環境問題」を盾に、それっぽい理由付けができれば、実際の効果や、住民の意見なんて一切全部無視して増税していいってことになっています。
『増税構文』の応用編
まんまと誰かの『おためごかし』に乗らないために、増税構文の応用編もご紹介しておきます。
この構文は「テンプレートでもあるのか?」と思うくらい、多くの自治体の首長も使っています(主調べ)。
この構文は、普通の人でも使えます。
お小遣いを増やしてもらったり、特別に出してもらうときにも使える構文です。
この構文を身につけておくと、もしかすると他人のお金をあてにして生きていけるかもしれません。
ただし、信用を失うリスクがあるので、自己責任でお願いします。
文章の構成は次のようになっています。
1.『耳障りの良い計画』
キーワード:「子育て」「教育」「安心・安全の街づくり」「未来」「豊かな○○」etc
まず最初にすることは、「市民の税金」を使ってやりたいことを、ありったけの美辞麗句を使って説明します。この際に大切なのは「ムダ使いじゃないよ」というアピールをしっかりしておく必要があります。そのためには前述のキーワードを多用するのが効果的です。
2.『予算配分』
「箱モノ建造」「第三セクター設立」「補助金」「専門家窓口」など目に見えるものなら何でも「政治の実績」になるので、その使途を明らかにしておきます。各事業への賛否は個別判断ですが、いずれにしてもお金の行先で「後戻りできない利権構造」がつくられます。
3.『物価や景気のせいにして、財源が厳しいですアピール』
予算の現状説明では「財源が厳しい」、そして「自分のせいではないアピール」を盛り込むのが最も重要なポイントです。
どう考えても、財源が厳しいのは、予算(おこづかい)の使い過ぎが原因なんです。
使わなきゃいいだけなのに、どんどん使います。
「環境のため」と言いつつ、
その目線は市民(あなた)の財布を見つめています。
だけど、それを市民に悟られてはイケません。
後々、市民へ財源負担のお願いをするためには、慎重な言葉選びが必要です。
4.『財源確保の議論を避けて通ることはできません』
ハイ、でました!
『財源確保』
この言葉が出てきたら、市民の税負担は近年中に必ず増えます。
あとは詰将棋のようなものです。
「増税」か、あるいは「間接税の導入」を企んでいるのですが、ココではまだ「議論」という表現に留めておきます。
ちなみに、『ごみ袋有料化』が導入されてしまえば、あとはそれをどんどん増税していけばいいだけなので、『ゴミ袋有料化』は市民の財布から合法的にお金を抜くためには必ず越えておかなければならない(そんなに高くない)ハードルです。
誰の味方なの? いらないでしょ。腹たつねん。
5.『市民の自覚を促すセリフ』
キーワード:「笑顔」「未来」「子供たち」「持続可能」etc
「今を生きる私たちの責任」が決め台詞です。
「自分たちの無駄遣いの責任」には一切触れずに、市民に税負担の自覚を促すという、責任回避と論点すり替えの高度なテクニックです。
6.『重ねてのおねだり』
キーワード:「財源確保」
「必ず財源確保に努めます」なんて言っちゃってるもんですから、もう、市民というカモの財布にバッチリ焦点が合っています。
あとは数年を掛けて、新たな税制度を導入するか、増税するかします。
これが、「増税構文」の応用編でした。
川西市の予算書のlinkをつけておきます。
5枚目(1ページ)に越田市長が書かれた予算案の前文があります。
R6_yosannnogaiyo_3_0321.pdf (city.kawanishi.hyogo.jp)
無意味な税制で被害を被るのは・・・
・・・しかし私はなんでこんな下らない文章を書くのに黙々と時間を使っているんだろ。
でも、この構文で納得しちゃう人って結構多いんです。
「あらぁ~ 市民のために頑張って取り組んでくれているのねぇ」なんつってね😫
人を疑うことを知らない無垢な人ほど、自ら進んで増税の餌食になっちゃってます。
この構文を見たら、「危ないゾ!」「なんか企んでるな??」と思って、話の中身をよく分析したほうが良いと思います。
増税の負担を強いられるのは、自分達だけじゃありませんから。