兵庫県川西市が進める「ごみ有料化」
越田市長は「ゴミの減量のため」と言っています。
「ゴミを減らす」という議論以前に、そもそも「ゴミの量はどういう理由で増減するのか」を知っておく必要があります。
このコラムでは、そのあたりを深堀していきたいと思います。
どうしてゴミは出る?
生活ゴミが、増えたり減ったりする理由。
小学生でもわかるように整理します。
まずは、基本的なところから。
当たり前のことですが、再認識しておきましょう。
ゴミが出ない状態 ⇒ 死んでいる😇

ゴミが出る状態 ⇒ 生きている😊

当たり前の話でしたね。
次は、ゴミの量について、
ゴミがあまり出ない状態
⇒ ひそかに生きている。掃除嫌い。単身者や核家族。ミニマリスト。節約家。景気が悪い、ゴミ屋敷に住んでいる・・

ゴミがある程度でる状態
⇒ 活発に生きている。清潔好き。子沢山。大家族。景気が良い・・

赤ちゃんは、おしめを変えないといけないし、子供の成長は早いので、服も買ってあげないといけないし、クラブ活動に必要なモノを買う必要があります。自宅で親を介護している家庭も、なにかとゴミは出ます。掃除をこまめにやればゴミが出ます。モノを買ったり食べたりするとゴミは出ます。
ゴミが出すぎる状態?
⇒ いつもムダな買い物ばかりしている(わざわざゴミを買っているに等しい)
・・・ってか、そんなんあるか??

個人がどう生きるかは個人の自由です。どのカテゴリーに当てはまっていても他人にディスられる筋合いはありません。健康で文明的な生活をおくることは基本的人権のひとつです。そしてその基準は(自立しているなら)人それぞれ自由に決めて良いことです。
ただ、ゴミがある程度でる状態の方が、社会にも良い影響を与えている印象がありませんか?
それだけじゃありません。
消費が増えると経済が活性化されます。
使ったお金は誰かのお給料になりますから、消費というのは誰かの生活の役に立っています。
そして、税収も増えますので、市民生活にも良い影響を与えます。
消費が減ると、貧乏が蔓延し、格差が大きくなり、そうなると市民サービスが逼迫し、それを拡充するためにまた増税がおこなわれます。
「活発にいきている」って大雑把にいいましたけど、活発に行動している状態では消費がうまれますから、もちろん何もしていない人よりゴミは出ます。
たとえば・・・
『毎朝、家の周りの落ち葉やゴミを集めて、街をキレイにしてくれている人』

『人と会っておしゃべりをするのが好きで、お話のお供にお菓子などを食べる人』

『趣味を楽しんでいる人』

『庭木をキレイに剪定して、町の景観を美しく保ってくれている人』

などなどです。
ゴミが適度に出る状態というのは、
健康的で楽しく、清潔で、少子化にも高齢化対策にも貢献できている状態です。
そういう健全な生活をすればするほど、ゴミは増える傾向にあるでしょ?
そういった、より健康的で健全な社会を構成している人たちに、
『懲罰的に課税を強いる制度』が『ゴミ有料化』デス👎
ちなみに、「いつもムダな買い物をしていてゴミが過度に出てしまう」というのは、おそらく買い物依存症だと思います。これをやめさせたいというのなら、ゴミ袋を有料化するんじゃなくて、病院で治療を受けてもらわないといけない案件です。
川西市のゴミ排出量の推移
「環境のため」だとか、「未来の社会のため」だとか、完全に間違っていることを、いろいろと並べたてていますが、そもそも川西市民の出すゴミは緩やかに減っています。
※プラゴミ分別でリサイクルを進めようとするカン違いについては、別のコラム(文末にlinkあります)で書いているので、そちらも見て下さい。
⇓ このlinkは川西市の令和5年までのゴミ排出の推移です。
ごみ袋を有料化するまでもなく、1人1日排出量(下から3段目)は年々減ってきています。
この5年で一人当たり50gの削減が実現できています。
・消費財の梱包包装が簡易的なものになってきている(企業の取り組み)
・「リユース」が進んできた(省資源の意識向上)
・生ごみの水切りなど気をつけてゴミ出しをしている(減量意識の向上)
・子供が成長して市外へ転出する(子育て消費が減っている)
・外食の機会が増えてきた(お店が繁盛している)
・お店のゴミ箱に捨てている(ゴミ自体は減っていないが・・)
・世帯収入が減った(消費を控えている)
・・・などがゴミ減量の影響として挙げられます。
それぞれの理由が、良い現象なのか良くない現象なのかは、それを判断する視点によって変わります。
たとえば、「子供が成長して市外へ転出する」というのは、本人やご家族にとっては良いことなのだと思いますが、川西市としては人口減となるのでネガティブなことかもしれません。
この先もし、家庭からの排出ごみが増えてきたとしても、それは買い物依存症の人が増えたのではありません。
先ほども例に挙げたような、子供が増えている(子供の増加)とか、景気が徐々に良くなって消費が増えてきている、など、良い理由による影響が大きくなったという証でもあります。
『ゴミ』は悪者?

ゴミを悪者にしてはいけません。
食事をすれば排泄するように、生活をすればゴミが出るのです。
ダメなのは、
ゴミのポイ捨てや不法投棄です。海洋プラ問題もポイ捨てや不法投棄によるものです。
普通ゴミに出せば最後に残った焼却灰でさえも、ちゃんと再利用されます。
ごみ袋有料化をすれば、不法投棄やポイ捨ては増えるでしょう?
この点だけを見ても、「ゴミ袋有料化」=「環境破壊」なんです。

「プラごみ再生」こそ環境破壊
プラごみは、再生工場に行った後、再生資材として「使えるプラごみ」と「使えないプラごみ」に選別されます。
自治体は、再生工場に引き取ってもらうために契約料(請負費)を支払い、また、プラごみを1tあたりの処分費も支払っています。
もちろん、プラごみの選別時には、プラ粉塵もでますから、マイクロプラスチックをより多く出すことになります。
さて、再生工場で選別された「使えないプラごみ」は、全体の約62%程度で、これは燃料として最終的に燃やされます。
燃料として使う方法は2通りあって、
ひとつは、CR(ケミカルリサイクル)で、製鉄所などでコークスの代わりとして燃やす燃料に変えることです。
もうひとつは、TR(サーマルリサイクル)としい、燃焼した熱を利用して発電をする方法です。
残りの「使える」約38%は再プラ資源としてリサイクルされます。
プラごみから再生プラ製品を作ることを、MR(マテリアルリサイクル)と言います。
再プラ製品は品質も悪く、バカ高い(原料から作ったほうが安いし良い製品ができる)ので、その差額補填に税金が使われています。再生原料が粗悪なので、使用用途も制限されています。
環境に対しての影響度の評価方法としてLCA(ライフサイクルアセスメント)というものがあります。
このLCAでの比較では、再プラ(MR)するよりも、燃やすほう(CRやTR)が、CO2排出も少なく、資源も使わないと評価されています。
環境省の資料では、排出CO2と資源の削減効果は、CRを100%とした場合、TRが約90%、MRが約30%程度となっています。
LCAについてのもう少し詳しい内容は、『プラ分別は環境に『悪い』という常識(Link)』でまとめています。
しかし、CRやTRよりも、もっと環境に優しい方法があります。
再生工場に出さずに、国崎クリーンセンターで普通ゴミと一緒に燃やしてしまうんです。
そうするとこうなります。
・TR(サーマルリサイクル)で電気に替わる(売電収入)
・焼却用の燃料を節約できる
・プラごみ収集車や再生工場での排出CO2・燃料・税金が削減できる
・プラゴミ処分費用、回収費用など数億~数十億円の税金が節約できる
・焼却灰は港湾埋立などに再利用される⇒森林破壊を抑えられる
・行政の予算が浮くので他の行政サービスが充実する
・・・などなど、良いことばかりです。
再生プラごみリサイクルは、CO2も資源もコストも余計にかかっています。
↓ わかりやすくイチから説明しています。情報ソースも紹介しています。
間違っていないかどうか、厳しい目でチェックしてみて下さいね。
内容に疑問点や間違いなどがありましたら、「問い合わせ」からご連絡ください。
他にも川西市のゴミの現状を考察していますので、こちらのコラムもどうぞ ⇓